2020-01-01から1年間の記事一覧
前回、六本木ヒルズA/Dギャラリーでみた展示も惨憺たるものがあったが、今回はツイッターの宣伝ツイート(主に黒瀬陽平によるエゴサ)で評判の展示のようだと刷り込まれ鼻から期待値が膨らんでいたこともあって、尚更失望が大きくなったと言える。出ている作…
いまのわが国は喩えるなら、東京オリンピックと経済のことしか頭になく、社会がどうなろうと利権や保身を優先して止まないメクラな政治家達によって鼻面を引き回されている巨大な牛だ。峻烈な風が吹きつける中、巨躯を揺すってあちらにブレ、こちらにブレて…
私の嫌いな概念語に「問い直す」というものがある。知的な現代美術界隈が使いたがる傾向にあるように思われる言葉の一つだが、「問い直し」した結果、めぼしい結果が出たのかどうかまで追って書かれていることはほとんどない。つまり、「問い直す」という言…
季節は春、気持ちのいい生暖かい春の微風が流れる真夜中、犬の散歩をしている。幹線沿いの歩道だ。左手には雑居ビルやアパートが並ぶ。目の前をもたつく脚で歩く犬の腰のブレ方を眺めやり、寄る歳波に「ビッコを曳いているのだろうか?」と漠然とした不安を…
1. 具体的な位相においてフラット——「平らな」、「起伏のない」と、辞書には書いてある。「平らな」という言葉からは色々な語句を連想することができるが、まず私が第一に連想したのは「平らな丘」や「平らな関係」といった言葉である。対して「起伏のない」…