カオス*ラウンジの終焉――TOKYO 2021を観て――

前回、六本木ヒルズA/Dギャラリーでみた展示も惨憺たるものがあったが、今回はツイッターの宣伝ツイート(主に黒瀬陽平によるエゴサ)で評判の展示のようだと刷り込まれ鼻から期待値が膨らんでいたこともあって、尚更失望が大きくなったと言える。出ている作…

コロナ禍を有意化し、解釈する

いまのわが国は喩えるなら、東京オリンピックと経済のことしか頭になく、社会がどうなろうと利権や保身を優先して止まないメクラな政治家達によって鼻面を引き回されている巨大な牛だ。峻烈な風が吹きつける中、巨躯を揺すってあちらにブレ、こちらにブレて…

『知の技法』第Ⅰ部へのあてつけ

私の嫌いな概念語に「問い直す」というものがある。知的な現代美術界隈が使いたがる傾向にあるように思われる言葉の一つだが、「問い直し」した結果、めぼしい結果が出たのかどうかまで追って書かれていることはほとんどない。つまり、「問い直す」という言…

犬の夢

季節は春、気持ちのいい生暖かい春の微風が流れる真夜中、犬の散歩をしている。幹線沿いの歩道だ。左手には雑居ビルやアパートが並ぶ。目の前をもたつく脚で歩く犬の腰のブレ方を眺めやり、寄る歳波に「ビッコを曳いているのだろうか?」と漠然とした不安を…

「フラット感とは」考察してみた[思考実験]

1. 具体的な位相においてフラット——「平らな」、「起伏のない」と、辞書には書いてある。「平らな」という言葉からは色々な語句を連想することができるが、まず私が第一に連想したのは「平らな丘」や「平らな関係」といった言葉である。対して「起伏のない」…

新しい公共性の出現

一体彼らが何を意図としてこのような展示を構成するように至ったのか、そのような疑問が浮かんだのはキュレーションの枠組みがこの数年来の「芸大油画3年次進級展」(以下、「3年次進級展」)の中で特に今回の展示において強いという風に感じられたからでも…

6月後半

25日 月曜日 会議のあと四谷三丁目へ行く 四谷未確認スタジオ Open studio 本日一日限りのオープンスタジオで、これが公式にスペースをお披露目する初の機会となる。スペース自体は5月から着工していた模様。とはいえ、元銭湯であった場所柄が十分に伝わる内…